塩害

現状

昔は体を保つ飲料は水ではなく、ココナッツであったそうだ。また、地下水を飲み水として利用していたが、海面上昇の影響で地下水の塩水濃度が上がり、今や飲めない状態になっているということだ。地下水は塩水以外にゴミからの排水によっても汚染されているそうだ。井戸は掘っても塩水が出るだけなので、豚小屋の近くに掘って、豚小屋掃除に使うくらいだそうである。

ココナッツは飲み物にもなり食べ物にもなり、葉を乾燥させてその葉でかごや絨毯を造ることが出来て、ココナッツの皮は燃料になる。ココナッツの実の部分を砕いて絞ってこし、加熱するとココナッツオイルを作ることもうできる。その他にも、椰子の木から直接樹液をとるためにペットボトルなどをつるした光景も見られる。トディーと呼ばれるもので、朝と夕方に汁を回収し、ジュースやお酒、調味料として使われ、栄養価も高いことから重宝されている。タロイモはアメリカ大陸から来たものとフィジーのタロイモの二種類が植えてあり、アメリカ大陸から来たタロイモは大きく、病気になりにくい。このように多種多様な植物があるため病気に強く、ある種類の植物が病気にかかっても他の植物に感染することがないため植物が全滅するということはない。また、伝統的焼畑に似た土地の使いまわしをしているため、土地がやせて植物が育たなくなることはない。自給自足の生活をしているフィジーやツバルの人々にとってこれらの植物は極めて重要な役割をしているといえる。

 しかし、ツバルでは最近浸水による土壌の塩化により作物が枯れ、収穫が困難になったり、質の悪い作物が育つようになったりしてきている。この状況に対応するために土を高く盛って作物を育てるといったような工夫がなされている。また、台湾政府とツバル政府の協力プロジェクトにより塩害に強くなるよう品種改良、塩害に強い植物の栽培を行っている。年間で一番潮位が高くなるキングタイドよばれる現象の際、島のある一部では地面の下から海水がわき出てくる。この現象が島全域で起こるようになれば作物はさらに収穫できなくなるだろう。作物の収穫が出来なくなればツバルの人たちは今まで伝統的に行ってきていた自給自足の生活が出来なくなり、ますます輸入に頼る生活にならざるを得ないだろう。年間で一番潮位が高くなるキングタイドが起きたとき、島のある一部では地面の下から海水がわき出てくる。

飲み水

 従来飲料としていた地下水は、塩害、生活排水などの汚染により、ほぼ飲めない状態にあるので、雨水を飲んでいる。洋上の雨水は、汚染物質もなく、とてもきれいである。
しかし、屋根伝いに水を集めること、貯めてそのまま使うことから健康的にどうなのかという意見もある。
 1999年に、日本政府の「草の根無償援助プログラム」で、海水淡水化装置(ウォーターボーイ)が導入された。この淡水化装置は、ほとんどの家庭は雨水を貯めて利用しているため、雨季には使用しない。乾季だけ使用するが、10年前は乾季が4月〜9月だったが、気候変動により現在は4月からの1カ月ほどになった。このため、淡水化装置を使用する時期も減った。

>>淡水化システム

作物

もともと、ツバルには土がなく、そこで植物を栽培するので、畑の手入れが必要である。また、ある一定の広さをもつ畑で自給自足分の食物を育てるのだが、人口増大によって、人口密度が大きくなり、十分な量の作物を収穫できなくなっている。そのため、輸入によって食糧を補うしかない。
 その結果、主食が伝統的な料理から、米などを使った料理になり、自給したものを食べなくなり、畑があれ、これまで手入れして使ってきた土地が痩せてしまい、植物を育てられなくなったということもあるようだ。
育たなくなった、植物の代わりに、別の塩害に強い植物を植える試験的なプロジェクトも行われている。

>>台湾プロジェクト

著:菊川