森林(マングローブ)破壊
植生について
フィジーの村は病気になった際に薬草で治そうとすることが多い。ビタミンや鉄分など多くの成分を含む植物や腹痛やのどに効く薬草、魚をとる際に使用する植物など、様々な薬草となる植物を栽培している。同時に、さとうきびやタロイモ、キャッサバ、ココナッツ、マンゴー、パッションフルーツ、パイン、パパイヤ、ブレッドフルーツ、ヤンゴーナなどといった多くの食糧となる作物を栽培している。マングローブの一種であるヤンゴーナは村に入るための儀式「セブセブ」の際に飲むカバの原料となる植物である。市場でもこれらの植物が買える。
漁業に関しても、マングローブ周辺に生息する魚やえびなどを捕って食料にしている。火山島で低地が広がる場所に住んでいるため、川や海の水の浸入を防ぐ作用も担っている。
著:菊川
貧困と破壊
フィジーの人口の半数を占めるフィジー人の多くは村に住んでおり、現金収入を得る手段は限られているといっていい。彼らが現金を必要としたとき、たびたびマングローブを伐採し、お金に買える。伐採しなければ現金収入の手段がないのだ。それでも得られる現金は少ないという。実際、フィジーでは格差が激しく、都市と農村での格差、むら同士での格差があり、深刻な状況にある。生活のために森林を破壊せざるを得ない状況にあるのだ。
海岸に広がるマングローブのすぐ上に住んでいる人々もいる。水害の影響を直でうける。ここにh住んでいる人のほとんどが貧困層のフィジアンであり、フィジーの問題のひとつである。
自給自足経済と貨幣経済が混在している中で起こった問題ともいえ、解決は困難であるように見える。しかし、この問題が解決されなければ、森林が破壊され続ける。だからといって、貨幣経済を押し付けることはできない。とくに、伝統的生活を残そうとしている村には。
著:shibata
日本との関係
フィジーのブィチレブ島南のハイウェイを走っていると、木がほとんど生えておらず、生えていても「アカマツ」に似た針葉樹が生えている風景をよく目にした。もともとフィジーに木が生えていたのだが、生活のため(農地、燃料など)切り倒したそうだ。そのため、サトウキビ畑や草原が広がっている(むらや内陸部は広葉樹が自生している)。「アカマツのような木」に関しては、パルプとして輸出するため政府主導で植林されているそうだ。主な輸出先は日本である。南国の風景に突如現れる針葉樹の林は奇妙に感じる。また、手入れのコストが払えないため放置されることも多い。
著:shibata
森林破壊の役割と影響
役割
・ 水の浄化、保水
・ 食物連鎖に置ける餌と住処となる生物多様性の保持者
・ 自然災害の緩和
・ 生き物の生存と成長のための環境を提供する
悪影響
・ 食糧、農産物、木材といった資源の減少
・ 土壌の流出、洪水、土砂災害などの発生と防災の低下
・ 地球温暖化、砂漠化など気候変動の促進
・ 野生生物の減少、生物多様性の減少
・ 自給自足生活の崩壊
著:shibata
国際的な森林保護の取り組み
「持続可能な森林経営」という考えに基づく取り組み
国際熱帯木材協定<1983>…国際熱帯木材機関(ITTO)<1986>
国連食糧農業機関(FAO)…熱帯林行動計画(TFAP)<1985>
環境と開発に関する国連会議…「森林原則声明」<1992>
これらの機関は、熱帯林の適切な開発・保護保全について、環境保全と木材貿易につい て、熱帯林地域や先進国での適切な利用について述べており、熱帯林資源の適切な貿 易が経済発展に寄与するとしている
著:shibata