環礁について

◇   サンゴ礁の形態    

・     据礁:島海岸部に接して発達

・     堡礁:外礁と島の間に礁湖(ラグーン)がある

・     環礁:礁の中央に島がなく、環状の外礁と礁湖のみ


◇造礁さんごの生育条件

・ 熱帯か亜熱帯(25-30℃)の浅い海であること

・ 塩分濃度が高い(3-4%)

・       透明度が高い

◇環礁の成り立ちには二つの有力説がある

「沈降説」…島の周りで発達したさんご礁は、その中央の島が沈降していくことで姿     を変える          

      By チャールズ・ダーウィン

海岸周辺にサンゴ礁の発達[据礁]

島が沈降+サンゴ礁の発達(外洋、上に向かって)

     →サンゴ礁は島の海岸線を離れ、島を取り巻く[堡礁]

島が沈没

元の島の海岸線をかたどったサンゴ礁の環[環礁]

 (証明)

 環礁のサンゴ礁はサンゴの育成可能水深である30mを超えて堆積しており、その下の基盤は火山岩が出てきた。 

<疑:海洋にある多くの島は深く沈み続けているのか?>

   →プレートテクトニクスの考え方

    海洋プレート上に島ができるのは、火山で島ができたとき

↪(マントルからつくられ、水平に移動し、海洋で大陸プレートの下へ)

   

『「沈降説」+プレートテクトニクス』

海洋で火山ができ、島ができる

周辺にサンゴ礁が発達 [据礁]

火山島の水平移動で海底は深くなり、沈降[堡礁]→[環礁]

サンゴ礁は上に発達

海溝に沈む

<疑:大規模な島の沈降が多く起こると考えるのは難しい    

  礁湖の多くが深さ50m-80mであることが説明されていない>    

「氷河制約説」…礁湖が最終氷河期の海水準変動によって生じた

        By  R.Aデーリー

 大部分の環礁や堡礁は、礁湖の深さが50m-80m

  →海水面そのものが全体として変動したことを示すのではないか

  氷河期     ― 海水面低下 ― サンゴは水面上に出て、波の浸食を受ける

    氷河期終了 ― 海水面上昇 ― 島の沈降

 →サンゴ礁の中心に島が残る = [堡礁]

     サンゴ礁の中心に島がない = [環礁]

  *2万年前の氷河期に100mの海水面低下が世界中で確認されている

 

結論
  環礁では、場所によっては5000万年にもさかのぼる

    → サンゴ礁の成因としては「沈降説」

  100mよりも浅い部分では「氷河制約説」

◇     特記

環礁、周辺地域の多くは、しばしば核実験の場になっている

<例>

  アメリカ:ビキニ環礁、エニウェトク環礁

  フランス:ムルロア環礁、ファンガタウファ環礁

  イギリス:キリスィマスィ島 

著:shibata